日曜プログラミング

休日趣味でやってるプログラミング関連記事をダラダラと

四角形を動かす、描画する

arcade-clj シリーズ。全体の目次はこちら

元記事での追加機能

かいつまんで言えば自キャラの下ごしらえとして四角を描画してそいつを動かせるようにしましょうと言う内容。

  • 四角形を八方向に動かせるようにする
  • 四角形が動けるのは画面内だけ(=画面外に出ないようにする)
  • 画面をリサイズ可能にし、四角形もリサイズ後の画面を動けるようにする
    • 目次にもあるのだが、リサイズ対応は断念した。
    • 高さがフルに動けて幅が 70% までにしてるらしいが理由が良くわからなかったのでこちらも今回はスルー。 理由が分かった段階で改めて実装する。

動かせるようにする辺りはぼちぼちゲームっぽくなってきたかも。

まずは四角を描画してみる

元記事では SDL API で四角を描画するようにしてて、play-clj で近いものだと shape があるのだが、 残念ながらチュートリアルにあるような位置サイズ変更方法 ができなかったので、texture から同色同サイズの四角画像を読み込んで動かすようにする。 rect.png は desktop/resources 以下に置くこと。

(defn- create-player []
  (assoc (texture "rect.png")
         :x 64 :y 64 :width 32 :height 32))

(defscreen main-screen
  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage))
    (create-player))

    ;; 以降省略
   )

f:id:shinmuro:20160527205858p:plain

コードは省略してしまったが、main-screen の背景は黒に戻した。

すごくどうでも良い事

スクショ見て気づいたかもしれんけどこの記事書いてる途中で Win10 にアップデートした。

何というかネットで騒がれてるほど大した事なかった。アップデート後いくつか設定戻されてたけどまあ何とかなったし。 けど勝手にアプデスケジュール組まれるのは確かにどうかと思う。自分は押し負けてアップデートしちゃったけど。 まあ無料だし多少不具合が残ってても Windows Update で安定してくるだろうしまあいいかと。

Entity System について

さて、脱線ついでと言う訳でもないんだが、 :on-show に指定している関数で texture タイプではあるものの再度 entity を返すようになったので ここらで一旦 play-clj の Entity System について自分なりの理解を整理しておく。

Entity System については公式のチュートリアルに説明はある。

  • n 個の entity をベクタとして持つ(entities)
  • イベントハンドラ関数の戻り値として entities を前提としている
  • entity になれるものは play_clj.entities.XXXXEntity と言う Clojure の record
    • shape, label, texture など
      • API doc に entity based と書かれているもの
  • entity は record なので HashMap と同じ感覚で key,value として色んな情報を一緒に持たせられる
  • entity として返されないオブジェクトも存在する
    • font, music, sound など
    • この辺りの管理は asset-manager で行う事になるがこれはまた改めて書く

play-clj.repl には entities や screen に保持されてる情報を REPL 上で確認できるユーティリティ関数の es があるので (-main) 実行して画面を出した後で試しに見てみるとどんなものが入ってるのか よりイメージし易いと思う。

四角を動かす

斜め移動の判定

元記事見ると XOR 使って判定してる。なるほどなあ。 *1

(defn- xor?
  [x y]
  (if x
    (if y false true)
    (if y true false)))

(defn- diagonal? []
  (and (xor? (key-pressed? :up) (key-pressed? :down))
       (xor? (key-pressed? :left) (key-pressed? :right))))

論理 XOR は Clojure では標準では無いので 2 項限定でとりあえず自作。 xor? にしたのは true/false しか返さない述語関数の慣習に倣ったもの。

動かすコード

(defn- move-player [e]
  (let [speed 720
        vol (if (diagonal?)
              (/ 1 (Math/sqrt 2.0))
              1)
        moved (* speed vol (.getDeltaTime Gdx/graphics))
        dx (match [(key-pressed? :left) (key-pressed? :right)]
             [true true]   0
             [false false] 0
             [true false] (- moved)
             [false true] moved)
        dy (match [(key-pressed? :up) (key-pressed? :down)]
             [true true]   0
             [false false] 0
             [true false]  moved
             [false true]  (- moved))]
    (-> (update e :x + dx)
        (update :y + dy))))

speed は適当。これに上下左右時 or 斜め時の x/y 移動量と前フレームとの時間差を掛けあわせて移動量を算出。 斜め時の x/y 移動量計算式は元記事からそのまま借用。

x/yの動く方向を含めた移動量が dx, dy になり、その判定に Rust はパターンマッチングを使って いて、これは Rust 学習してた時に結構便利だなーと思っていた。そういえば Clojure にも ライブラリがあった事を思い出し今回初めて使ってみた。 こういう複雑な分岐したい時とかは確かに便利かも。

動かすコードを呼び出すコード

:on-key-down で呼び出せばいいのは想像付くと思うのでその部分だけ載せる。

  :on-key-down
  (fn [screen entities]
    (letfn [(is-key [k] (= (:key screen) (input-keys k)))]
      (cond
        (is-key :space)  (set-screen! arcade-clj-game alt-screen)
        (is-key :escape) (app! :exit)
        (or (some is-key [:up :down :left :right])
            (diagonal?))
        (move-player (first entities))
        
        :else entities)))

is-key はともかくその中の input-keys って何だ?と思うだろう。 これは key-code の関数版を自作したものと思ってもらって良い。 と言っても中身は libGDX の Input.Keys に定義されている static field と key-code で使える keyword を単純に手作業でマッピングした hash-map でしかない。

マクロにしてるのはどうも 実行速度が理由っぽい。 試しに単純に key-codeinput-key を繰り返し実行したものを time マクロで計測してみると 確かに key-code の方が速い。

入力の遅延はゲーム性に直結する話なのでそれはそれで分かるが、ここは自分がコードを書く時の書 きやすさを取った。

実はちょっと実装は異なるが play-clj にも関数版は play-clj.util/key-code* として存在してる事に 作った後で気づいた。入力遅延が気になるレベルで発生したら修正するかも。

画面内のみで動くようにする

この段階で動かしてみると分かるが、画面外へもお構いなしに動かせてしまう。

元記事でも後者は対応していたので合わせて対応しておく。 元記事は親 Rectangle の中に自機となる Rectangle 入れてそれで見るようにしてるけど SDL は知らんけど play-clj は画面サイズ取得できるんでチェックするコードを追加するだけにした。

(defn- constraint-bound-x [{:keys [x width] :as e}]
  (cond
    (neg? x) (assoc e :x 0)
    (> (+ x width) (game :width)) (assoc e :x (- (game :width) width))
    :else e))

(defn- constraint-bound-y [{:keys [y height] :as e}]
  (cond
    (neg? y) (assoc e :y 0)
    (> (+ y height) (game :height)) (assoc e :y (- (game :height) height))
    :else e))

(defn- move-player [e]
  (let [speed 720
        vol (if (diagonal?)
              (/ 1 (Math/sqrt 2.0))
              1)
        moved (* speed vol (.getDeltaTime Gdx/graphics))
        dx (match [(key-pressed? :left) (key-pressed? :right)]
             [true true]   0
             [false false] 0
             [true false] (- moved)
             [false true] moved)
        dy (match [(key-pressed? :up) (key-pressed? :down)]
             [true true]   0
             [false false] 0
             [true false]  moved
             [false true]  (- moved))]
    (-> (update e :x + dx)
        (update :y + dy)
        constraint-bound-x
        constraint-bound-y)))

もうちょい上手い書き方あるかも。

画面のリサイズ対応(→断念)

これは現時点では断念した。

  • play-clj の場合デフォルトでリサイズ可
  • リサイズした場合、texture な四角もサイズが変わってしまう

枠内で動かせるようになっただけで結構満足してしまった。。

github スナップショット

今回の記事終了時点のソースは以下から取得可能。

Release v0.6.0 · shinmuro/arcade-clj · GitHub

*1:項目別のリンクが無かったので元を見てみたい場合はページ内で let diagonal を検索すれば参照可能。

Screen の 切替

arcade-clj シリーズ。全体の目次はこちら

元記事での追加機能

  1. スペースが押されたら背景色を赤⇔緑で切替える

これを元記事では libGDX で言う Screen を 2 つ用意して切替えるようにしている。 機能だけで見れば別に Screen を 2 つ用意しなくても背景色を変更するだけでいいんだが、 せっかくなので play-clj でも Screen を二つ用意して切替えるようにする。

画面切替はどんなゲームでも発生するだろうしね。

作業

  1. 赤い画面と緑の画面二つ用意する
  2. スペースキー押されたら別の画面にする

赤い画面と緑の画面二つ用意する

これをやるのは defscreen を二つ準備し、:on-key-down イベントで スペースが押されたら Screen 切替処理を実施すれば良い。

Screen を二つ用意する為のもっと具体的な手順は play-clj のチュートリアル に詳しいのでコードが雰囲気では良くわからない場合はそちらを見て頂きたい。

(declare arcade-clj-game main-screen alt-screen)

(defscreen main-screen
  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage))
    entities)

  :on-key-down
  (fn [screen entities]
    (condp = (:key screen)
      (key-code :space) (set-screen! arcade-clj-game alt-screen)   ;; (1)
      (key-code :escape) (app! :exit)
      entities))                                                   ;; (2)
  
  :on-render
  (fn [screen entities]
    (clear! 1 0 0 1)                                               ;; (3)
    (render! screen entities)))

(defscreen alt-screen
  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage)))

  :on-key-down
  (fn [screen entities]
    (condp = (:key screen)
      (key-code :space) (set-screen! arcade-clj-game main-screen) ;; (1)
      (key-code :escape) (app! :exit)
      entities))                                                  ;; (2)

  :on-render
  (fn [screen entities]
    (clear! 0 1 0 1)                                              ;; (3)
    (render! screen entities)))

ポイントは 3 箇所。

  1. space が押されたら自分とは異なる Screen への切替処理をここに記述
  2. はすいません、今回とは直接関係ないけど condp のデフォルト節を入れておくのを忘れてたのでここで修正しました。 前回のスナップショットだとこれがなかったせいで ESC 以外を押しても異常終了の形でアプリが終わってました。
  3. は Screen の背景色指定。RGB 指定。

ところでイベントハンドラに渡してる関数って Clojure 的にはタダの関数だよね

何が言いたいかと言うとこの段階だと 1,3 以外って同じだよなあと思い、 イベントハンドラ関数を外に出したコードを書いてみたんだが、 最初の画面は出るもののスペース押すと以下の例外吐いて落ちた。

Exception in thread "LWJGL Application" com.badlogic.gdx.utils.GdxRuntimeException: java.lang.AssertionError: Assert failed: Attempted to set an invalid screen.

libGDX の AssertionError ですか。 まあ defscreen に渡す関数自体を使い回す事はほぼ無いだろうからここは深くは追わないようにしよう。 各スクリーンで処理がほぼ一緒に見えるのこういう段階だけだろうし。

defscreen もマクロでこれ評価すると実際は何か関数定義してるみたいだし。 コード追っかけてないが多分 reify なり proxy なりで Interface の実装クラス作ってるのは 何となく想像はつくけど。

github スナップショット

今回の記事終了時点のソースは以下から取得可能。

Release v0.5.0 · shinmuro/arcade-clj · GitHub

一見かなりバージョンアップした風だけど、元記事と番号を合わせる為だけのタグなので悪しからず。

ESC を押したら終了するようにする(イベントハンドリングの触り)

arcade-clj シリーズ その 2。シリーズ全体の目次はこちら

元記事での追加機能

  1. エスケープかxが押されたら終了するように変更する

以上。x は play-clj では特に何もしなくても既に終了するようになってるので割愛。 また、元記事ではライフタイムについても言及があるが Rust 特有の話なのでこれも割愛。

イベントハンドリング

元記事はメインループ回してポーリングでのイベントハンドリングから実装してるんだけど、 play-clj は defscreen からしてイベントドリブンな書き方を求めてるので 最初からイベントドリブンでやる事にする。

と言うか自分の最初の記事で 3 秒経ったら終了する機能もイベントドリブンで既に書いてたりする。

一応付け加えておくと、今回で 3 秒経ったら自動終了するコードは削除する。

:on-keydown

play-clj の defscreen の docを見ると キー押下時イベントは既に存在してるのでここに ESC が押されたら終了するようにすればいいのは 簡単に判断が付く。

変更した defscreen はこちら。

(defscreen main-screen
  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage))
    entities)

  :on-key-down
  (fn [screen entities]
    (condp = (:key screen)
      (key-code :escape) (app! :exit)))
  
  :on-render
  (fn [screen entities]
    (clear!)
    (render! screen entities)))

ええと、すいません、元記事的に追加した機能これだけだったんでこれで終わりです。 雰囲気で分かると思うけど一応補足すると、key-code に渡せるキーワード一覧も やはりplay-clj の key-code の docにあります。

github スナップショット

今回の記事終了時点のソースは以下から取得可能。

Release v0.2.0 · shinmuro/arcade-clj · GitHub

play-clj のインストール、シンプルなウィンドウの表示

arcade-clj シリーズ 1 つ目。シリーズ全体の目次はこちら。 一部以前の記事と重複している所もあるけどご容赦を。

play-clj のインストール

インストールと言うか leiningen での新規プロジェクト作成時にテンプレートで play-clj を指定するだけで良い。

lein new play-clj arcade-clj

プロジェクトが作成されたら desktop/project.cljClojure のバージョンを 1.8.0 に変更して lein deps すれば Clojure 含め必要なライブラリは全てインストールされる。 Clojure は別にこれと言って新しくする理由もないんだけど何となく。 *1

ひとまず動かしてみる

play-clj は lein run するととりあえず Window が出るまでの最低限のテンプレートを生成するので まずは lein run で動かしてみる。黒いウィンドウが出てきて左下に "Hello world!" と出ていれば OK。

元記事の仕様に合わせる

元記事は、

  1. タイトルに "ArcadeRS Shooter"
  2. 画面解像度 横 800, 縦 600
  3. 真っ黒な Window
  4. 3 秒経ったら自動的に終了する

となっているので合わせる。

まず、1,2 を合わせる為に desktop/src/arcade_clj/core/desktop_launcher.clj を開く。 そこの

(LwjglApplication. arcade-clj-game "arcade-clj" 800 600)

(LwjglApplication. arcade-clj-game "arcade-clj Shooter" 800 600)

とする。解像度は生成されたテンプレートのデフォルトと一致してたのでそのまま。

REPL で動かしてみる

さて、Clojure を使っていて REPL を使わない手はない。 コマンドプロンプトを立ち上げて lein repl :headless として nREPL サーバを起動する。 (cider-jack-in しない理由は後述する)。

次に emacs から desktop/src-common/arcade_clj/core.clj を開き cider-connect(C-c M-c)でさっき起動した nREPL サーバにつなぐ。

そして REPL から

arcade-clj.core.desktop-launcher> (-main)

とタイプし起動。project.clj を見ると分かるが、main は ns が desktop-launcher にあるので 別の ns で実行しても動作しない為注意。実行した結果、lein run した時と同じ画面が出てくると思う。

正直ここまでだと lein run の方が楽じゃないのと思うだろうがここからが違う。

じゃ次に元記事に仕様を合わせるべく次に画面を真っ黒にするためラベルを消してみる。 それは簡単で defscreen:on-show で指定されている label の S 式全体を消してしまえば良い。

  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage)))

こんな感じに。

で、ソースを保存し C-c C-k(cider-load-buffer) した後、nREPL クライアントで namespace を arcade-clj.core に移動した後で以下のコマンドを実行する。

(on-gl (set-screen! arcade-clj-game main-screen))

上記はざっくりと言えばゲーム画面に変更を反映させる為のコマンドになる。 このコマンドを実行すると画面から"Hello World!"はなくなり真っ黒になったはず。

それでもまだ面倒

正直自分が面倒だったのでさっきの手順をひとまとめに実行する emacs のコマンドを作った。 init.el 辺りにこんなコードを入れておく。

(defun play-clj-reload ()
  "REPL へ play-clj への反映コマンドを投げる。
   arcade-clj-game と main-screen は適時書き換える事。"
  (interactive)
  (cider-interactive-eval
   "(on-gl (set-screen! arcade-clj-game main-screen))"))

(defun save->eval->reload ()
  "play-clj での開発用。バッファセーブ→バッファ評価→play-cljのリロードのコンボをまとめて実行する。
   sit-for で wait かましているのはあんまり意味ないかも。"
  (interactive)
  (save-buffer)
  (sit-for 1)
  (cider-load-buffer)
  (sit-for 1)
  (play-clj-reload))
(define-key cider-mode-map (kbd "<f5>") 'save->eval->reload)

これで F5 キーを押すだけで「セーブ→セーブしたバッファの評価→ゲーム画面に反映」まで ひとまとめにやってくれる。

ただこれだとこの記事で作ったプロジェクト以外にする度に書き換える必要があるのが課題ではあるが どうすればもう少し汎用的になるかはまだ調べていない。

emacs の設定書き換えるの嫌なんですが

これはもう emacs から離れて NightMod 辺りを使うしかないと思う。 こちらは先のコマンド登録相当の事を機能として実装してるとの事なので試してみてはどうだろうか。

自分は NightMod 自体を試してない事から比較判断はできない。

最後の機能追加

さて、最後に 3 秒経ったら終了するコードを追加する。

(defscreen main-screen
  :on-show
  (fn [screen entities]
    (update! screen :renderer (stage))
    (add-timer! screen :auto-dispose 3)           ;; (1)
    entities)                                     ;; ??

  :on-timer                                       ;; (2)
  (fn [screen entities]
    (case (:id screen)
      :auto-dispose (app! :exit)))
  
  :on-render
  (fn [screen entities]
    (clear!)
    (render! screen entities)))

これを評価すると 3 秒経った後画面が勝手に閉じる。 元記事と少し違ってタイマーを使って終了するようにした。

(1) で :auto-dispose と言う keyword で 3 秒後に実行されるタイマーを登録し、 タイマーが登録されると (2) の :on-timer イベントハンドラ関数が実行されるようになり、 screen の中にある :id が :auto-dispose ならアプリを終了するコードを追加している。

また、今回の機能追加に直接関係は無いが、?? の部分を補足する。

play-clj は各イベントハンドラ関数の戻り値としては entity が返される事を想定しており、 add-timer! 関数が返す Timer は entity としては扱えないので最後に持ってくるとエラーになる。 play-clj の leiningen テンプレートでは label を返すようになってたが、 これは entity として扱われるので OK だった。 とりあえず今回は怒られないようにする為だけにイベントハンドラで受け取った entities を そのまま返すようにした。中身は何も無いんだけどね。

entity system は play-clj 固有の概念なのだが、この辺りは 実際にもう少しちゃんと扱うようになったらまた改めて説明しようと思う。

play-clj REPL の制限

さて、アプリが自動終了した後 REPL でもう一度 (-main) として起動させようとして nil だけ返ってきてあれ? と思ったかもしれない。これは play-clj と言うか libGDX の制限で、 play-clj のゲーム画面と言うのは OpenGL コンテキストスレッド上で動作するのだが、 OpenGL コンテキストスレッドは 1 つのプロセスに対し 1 回しか起動を許していないという制限がある。

コマンドプロンプトの方を見るとそれらしき事を示す例外が吐き出されている。

Exception in thread "LWJGL Application" java.lang.RuntimeException: No OpenGL context found in the current thread.

自動終了するようコードを追加しておいてアレだが、アプリが終了した後は nREPL サーバを再起動しないともう起動できない。

nREPL サーバは jack-in しないで connect する事のススメ

また、この記事の最初の方でわざわざコマンドプロンプトを立ち上げて nREPL サーバを別に立ち上 げたのには理由があり、cider-jack-in した場合だと先のアプリが終了した時などの 例外を見えるようにする為というのが大きい。アプリ終了後に(-main)としても cider の nREPL クライアント側では nil としか返ってなかった事からも分かると思う。

例外が全く見えなくなってしまうのはさすがに辛いので play-clj で開発する際は コマンドプロンプトで nREPL サーバを立ち上げてから cider-connect する方法を強くオススメする。

また、アプリは終了せずとも :on-render などで大量に例外が吐き出されるような事も 開発中は起きてくるだろう(と言うか自分が体験した)。 例外が少ない場合はまだいいが、大量に例外が出続けると最初の方の例外はコマンドプロンプトだと 流れてこれも見えなくなってしまう。 このような場合は nREPL サーバ起動時にエラー出力をリダイレクトさせておくと良い。

> lein repl :headless 2> err.txt

こんな感じで。

github スナップショット

今回の記事終了時点のソースは以下から取得可能。

Release v0.1.0 · shinmuro/arcade-clj · GitHub

*1:強いて上げれば 1.8.0 で追加された direct linking が play-clj で使えるのか試してみたいくらい

ArcadeRS サンプルゲームを通じて play-clj に慣れる

ArcadeRSという ゲーム制作を通じての Rust 言語を学ぼうと言うチュートリアル記事がある。

この記事はそのチュートリアルを通じて完成するゲームを play-clj で作ってみようと言う記事。 元記事と違って Clojure そのものは既にある程度学習済で、ここのタイトルにあるように play-clj、引いてはベースとなる libGDX の使い方に慣れるのが主な目的になる。 なので、Clojure 自体の入門や開発環境の構築は他書籍やサイトを参考にして下さい。

この記事を作成するにあたっての開発環境だけは書いておきます。

流れだけは元記事に沿うようにするが、翻訳記事ではないので元記事のリンクを載せたりもしない。 また、後で検索しやすいよう arcade-clj とタグ付けしておく。

完成イメージ

現在は元記事のスクリーンショットをそのまま持ってきているだけだが完成したら差し替える予定。

f:id:shinmuro:20160524214923p:plain

と言っても見た目は多分タイトルバーデザインが Windows のものになるだけだと思う。

目次

日本語になっていない所はまだ play-clj 版での記事になっていない部分。 また、機能ベースでタイトルを付けていく予定。

  1. play-clj のインストール、シンプルなウィンドウの表示 - 日曜プログラミング
  2. ESC を押したら終了するようにする(イベントハンドリングの触り) - 日曜プログラミング
  3. More event handling, where we discuss macros
  4. Views, where we learn about boxes, pattern matching, trait objects, and dynamic dispatch
    • 3,4 は Rust の言語機能がメインで、特にゲームとしての機能追加を行ってるわけではないので割愛。
  5. Screen の 切替 - 日曜プログラミング
  6. 四角形を動かす、描画する - 日曜プログラミング
  7. Sprites, where we create our player’s ship
  8. Backgrounds, where we handle resizing, scale and translate through time
  9. Main menu, where we play with textures and Rust’s vectors
  10. Asteroid attack!, where we render animated asteroids
  11. Shooting bullets, where we explore iterators
  12. Brawl, at last!, where we make objects interact and explode
  13. ≪ Boom! ≫, where we play sound.
  14. Variety, where we create more enemies
  15. Difficulty, where we manage the difficulty level and the score
  16. High score & wrap-up, where we play with the file-system and enhance our main menu

目次だけ最初に掲げちゃって大丈夫かと自分でも少し思うが ペースは遅くとも何とか最後までいけるよう頑張ります。

勿論チュートリアルのゲームを完成させるのが一番の目的だけど 記事の方も日本語に置き換えられて*1リンクが貼られれば完成とします。 また、この記事は主に目次なので記事を更新次第リンクとタイトルも更新します。

*1:翻訳じゃなくあくまで機能ベースの置き換え

cider で play-clj 触り始めました

libGDX を Clojure 上でより使い易くされた play-clj 触り始めました。

github.com

まだサンプル触ってる段階だけど REPL で起動したままいじれるのは 非ゲーム分野では経験済みとは言えゲームでも可能なのが改めて新鮮。

今日は 公式チュートリアル ではフォローされてない emacs+cider 使った時の補足事項みたいなのをいくつか。

cider で REPL

公式チュートリアルで流れは書かれてるがもう少し細かく言えば ソースをいじって REPL から起動したゲーム画面に反映させるには、

  1. namespace をプロジェクトのコアに移動(チュートリアルで言う hello-world.core)
  2. ソースをセーブ
  3. ソースの評価
  4. OpenGL コンテキストスレッドへの再描画命令

の作業が必要で、1. は1回でいいが、2~4 は繰り返す事になり、 これをコマンド+タイピングで毎度やるのはさすがに煩わしい。

なので emacs にコマンドとしてキー1発で呼び出せるものをてきとーに書いた。

(require 'cider)
(defun play-clj-reload ()
  "REPL へ play-clj への反映コマンドを投げる。
   hello-world-game と mainscreen は適時書き換える事。"
  (interactive)
  (cider-interactive-eval
   "(on-gl (set-screen! hello-world-game main-screen))"))

(defun save->eval->reload ()
  "play-clj での開発用。バッファセーブ→バッファ評価→play-cljのリロードのコンボをまとめて実行する。
   sit-for で wait かましているのはあんまり意味ないかも。"
  (interactive)
  (save-buffer)
  (sit-for 1)
  (cider-load-buffer)
  (sit-for 1)
  (play-clj-reload))
(define-key cider-mode-map (kbd "<f5>") 'save->eval->reload)

docstring にも書いたが sit-for は別になくてもいいかも。 まあけどこれでF5一発で画面反映までしてくれるようになるので結構楽になる。

cider-jack-in だとランタイムエラーが出ない?

play-clj(と言うか libGDX) は GL スレッドを 1 個作ってそこでイベントハンドリングするという まあ Swing や JavaFX などと同じような手法を取ってるのだが、この手のものは cider-jack-in した場合別スレッドを立ち上げる為か(詳しくは調べてない)、 例外のメッセージを吐き出さずに止まってしまう事がある。

play-clj はその場合にも対応できる方法を用意してて、set-screen-wrapper! を使って 例外時は printStackTrace して空の画面を出させるようにするというスニペットチュートリアルの 一番最後に載せてあり、それを core.clj の一番最後に入れておけば大抵 REPL を再起動せずとも 復帰できるようになる。

ただ、それでも cider-jack-in でコンソールを立ち上げずに REPL 起動した場合だと エラー時もやはりメッセージが出てくれない。

ウィンドウは増えてしまうがコマンドプロンプトから REPL 立ち上げるとエラーメッセージは 出るので個人的にはこちらの方をオススメする。

ちなみにここでも前述した emacs コマンド(F5) で復帰できて便利。

駄文:すいません、Rust 俺にはムリ

まあ誰に謝ると言う訳でもないんだけど Rustはプログラミング言語Rustを 一通り試してみて、さあそれじゃちょっとしたツールやライブラリみたいなの試しに作ってようかと 手を動かしてみたらコンパイラに怒られまくって正直心折れました。

いや、ネイティブコード吐き出す言語はちゃんと手を出した事がなかった分野なんでやってみたかったんだけどね、 トレイト+ジェネリック+静的型システム+ライフタイム辺りのコンボがどうにも辛い。

で、結構な間何も更新してなかったんだけど 今後はまた Clojure に出戻って気がついたような事を書いていきたいと思う。

Clojure も 1.8.0 になったってのを見た後くらいから全然触ってなかった。 またちょっと触りだして思ったのは cider も進化してんなあ、界隈の hot なライブラリ全然知らないなあ、 多少の起動の遅さというデメリット以上に REPL はやっぱり便利過ぎるなあ、などなど。

こんな事思ってる人いないかなあと ググッてこんな記事見つけてみたりしてまた Clojure へのモチベーションを上げてみたり。 postd.cc

ちなみにこの記事は Rust については全く触れてないので注意。

と言うわけで Rust は言語というよりは周りの開発環境的なものが もう少しこなれたらまた手を出すかも、出さないかも。 Winodows だけかもしれんけど racer もやたら固まるしなあ。

以上駄文でした。